40代半ばの助産師さんが扉を出て、今度は50代前半らしき、いかにもベテランさんと思われる助産師さんが、手袋をはめながら「ごめんねぇ〜!」
と言いながら入ってきた。
もお、私はその方を見た瞬間、
取りそう!すんごい慣れてそう!ベテランさん!という印象で
もお、まっすぐ、私のお尻めがけて
「私やってみるねぇ、ちょっと失礼します」ときたので、私はベッドの柵を両手でグッと強く握った!
天の岩戸を簡単にこじ開けるかのごとく、まっくらな洞窟の道がすでに分かっている冒険家のごとく、目の前にある道を阻んでいるヤツらをどんどんどんどん取り出していく。
私は「ぎやぁぁぁぁぁぁぁあ」と叫んだ。入ってくる何かと取り出される何かの感覚、、そしてこじ開けられすぎて激痛!というわけじゃないけど、とにかく今までにない、腫れ?を感じる。そして個室に広がる香り、、、。
『どこまで手伝えば、自分で出せるかなぁ。あともうちょっと取れそうだけど、どうする?いっとく?』
と聞かれ、私は
ものすごい体験に息を切らしながら、嫌だけど、進展がなかったのだからやってもらうしかねえ!ここまできて、また後で1人で出なかったらその方が辛いと2秒で考えて、
お、お願いします、、、
『おっけ!』とベテラン助産師さんの頼もしい返事。
そして、またベッドの柵を渾身のチカラで握り、助産師さんは最後のトドメの掘り出しをする!!私はまたまた
『ぎぇぇぇぇぇぇぇえ!』と叫んだ。
今考えたら、この時、お腹に赤ちゃんがいるということをすっかり忘れていた。とにかく全ての腕の力を使い切りベッドの柵を折るくらいの力を出し、耐えた。(今思えば、力を抜いていた方が、絶対楽だし、そんな叫ぶ必要もなかったかも、、)
そして、最後の掘り出しを終えて、ここでまた座薬を試してみよう!ということになり、今回は奥まで入れるね!と言われ『ゔっ、、』と声を出した。
それから2分後体の中でシュワシュワ感じる。私はトイレまですり足の早歩きで駆け込んだ。
そして、ここで出さなきゃ今までの2時間の産院での戦い、また午前中からの苦しみから抜け出せないと思い、お尻の扉の腫れの痛みも感じていたが、渾身の渾身の力を込めた。
例えが悪いが、本当に新幹線のスピードでドカーン!!!とお腹にあった全てが出た。人生でもトップレベルのものが出た。その瞬間、午前中から抱えていた、体の中の気持ち悪さが
スッと消えた。
そして大きく息をはいた。
戦いはここでようやく終わったのである。1人にしてしまった息子、ここまで運んできてくれた親、掘り出してくれた2人の助産師さん、、
走馬灯のように、その日1日、助けてもらった方々のことが頭の中を駆け巡った。本当に感謝です。
そして、便秘は突然やってくる事を学んだ日で、その日は便秘の薬をもらって帰った。
皆さんに生かされている幸せを感じた日でした。
妊娠中のマイナートラブルは突然やってきます。お気をつけて、、、、
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